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最優秀賞 |
「桶ヶ谷沼の夜明け」 |
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静岡県磐田市の東部にある桶ヶ谷沼はトンボの生息地として大切に保護されている。たくさんのトンボがいるなかでベッコウトンボは絶滅危惧種だが、それも手厚く保護されている。桶ヶ谷沼はトンボで有名だが、実は桶ヶ谷沼そのものと周辺の雰囲気もまた美しい。せせこましい現代の生活とは異次元の悠久の時が流れているようだ。空も風も水も空気も鳥も虫たちも気忙しない現代とは別の世界を作っている。ああ、ギンヤンマが飛びたつ。
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優秀賞 |
「沼津と深海魚」 |
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沼津は深海魚のまちである。深海魚を展示する水族館が人気である。だが、そればかりではない。沼津ゆかりの文人の心には深海魚が棲んでいる。その代表は千本松原に歌碑がある若山牧水と明石海人だ。沼津に移住した牧水。沼津を去った海人。境遇は違えども、沼津の海を愛し、心の闇に深海魚が棲んでいる点で同族である。富士山は日本一高く美しい山だが、駿河湾も日本一深く豊かな海なのである。沼津の夜は深海魚とともにふけていく…。
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優秀賞 |
「秋、蓬莱橋から」 |
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秋は空気が澄み曖昧なものが、はっきりと視えてくる季節だ。外側から聞こえるものは勿論、内側から語りかけてくるものに立ち止まる事が多い。私は以前住んでいた島田市の蓬莱橋にスポットを当てメッセージを書いた。人間には橋の上から川をのぞきこむ姿勢でしか見られない心の闇があると思うから。川は単に流れていくだけではない淀むという魅力にも触れたつもりでいる。効率能率に追いまくられる現代人に少しでもメッセージを届けられたらと思っている。
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優秀賞 |
「奥駿河湾」 |
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この作品には、伊豆半島のつけ根で生まれ育った私の海に対する気持ちや思いが込められています。私は昔から海が大好きでした。そして、海の怖さも知っています。その海にはたくさん怒りをぶつけたし、たくさん慰められてきました。今でも泳いだり貝をとったりしています。しかし、私は4月から東京の大学へ進学するので、気軽にこの海へ行くことができなくなります。
私はこの海をいつでも見ることができるように、私の心の中にどこまでも持っていきたいという願いを込めました。
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優秀賞 |
「降雪、浜名湖」 |
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湖西市鷲津。そこに浜名湖の湖岸に沿うような道路がある。その狭い道は一年を通じてほとんど静かで、家々の間から湖の広々とした景色を見ることができる。引佐や細江の低い山地と水を湛えている豊かな湖面は、冬場にはくすんだ詩情のある風景を見せてくれる。それだけではなく、もし、雪が舞うとき、湖上の美観は、ぼくの記憶を呼び起こすほどの懐かしい風情が漂い、自分を日常とは違う煌めいた世界に誘ってくれるのだ。
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優秀賞 |
「Treasure island」 |
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宝島。私の作品の題名だ。金がとれたり、財宝がうまっていたりするわけではない。その島には、まるで宝のような自然が今も残っているのだ。その島とは恵比須島。
私がこの島に行ったとき、とてもたくさんの魚をみつけた。まだ、いろいろな生物が住むことができる場所があるのだと、うれしくなった。
私の作品を読んでくださった人が、自然のことを考えてくれると、うれしい。
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