しずおか文化のページ伊豆文学フェスティバル第17回伊豆文学賞入賞作品決定

平成26年2月10日 更新

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第17回伊豆文学賞入賞作品決定


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 文学のふるさと伊豆・東部をはじめ静岡県内を題材とする文学作品を公募した第17回伊豆文学賞の入賞作品が次のとおり決定しました。
 表彰式は、3月2日(日)に伊豆市湯ヶ島の旧湯ヶ島小学校での「伊豆文学フェスティバル」として開催します。表彰式の後には、「伊豆文学塾」を併せて行います。内容は、伊豆文学賞の審査員を務める作家の嵐山光三郎さん、太田治子さんによる文学座談会の予定です。
 フェスティバルの当日には、伊豆市の主催による関連イベント「伊豆文学散歩」も行われます。
「伊豆文学フェスティバル」の案内はこちら


1 審査結果  (入賞作品のあらすじはこちら)

◆小説・随筆・紀行文部門
作品名(部門) 氏 名 居住地
最優秀賞
まえ  ある ひと   たんなんこう   いちにち
前を歩く人=坦庵公との一日=(小説)
こながや  たつお
小長谷 建夫
静岡県静岡市葵区
優 秀 賞
の       ほし
野づらは星あかり(小説)
おおつか  きよし
大塚 清司
静岡県島田市川根町
佳  作
ほうえいしゃしんかん
宝永写真館(小説)
はた
畠 ゆかり
東京都中央区
こうこくじじょういぶん    やすかげしゅっぽん
興国寺城遺聞-康景出奔-(小説)
ましと   はるゆき   
増登 春行(筆名)
神奈川県鎌倉市
◆メッセージ部門
作品名(部門) 氏 名 居住地
最優秀賞
みしま   なつ   
三島 夏まつり
 はせがわ  みのり
長谷川 穂
静岡県三島市
優 秀 賞
なさ     と      さいきょうゆうすいとし  みしま
情けが溶ける最強湧水都市・三島
すずき  たかもり
鈴木 敬盛
静岡県駿東郡長泉町
えんしゅうだいねんぶつ よる
遠州大念仏の夜
みやじ  たかお
宮司 孝男
静岡県湖西市
ちち  ひ   きんめだい
父の日の金目鯛
わたらい さぶろう   
渡会 三郎(筆名)
千葉県柏市
いずゆ     まつかわこげしゃ   たび
伊豆行き松川湖下車の旅
すがぬま みよこ
菅沼 美代子
静岡県静岡市駿河区
 いず   だいさん  ふるさと
伊豆は第三の故郷
ゆう めいえん
游 美媛
東京都墨田区

(メッセージ特別賞) 
学 校 名 内 容
学校奨励賞 静岡県立御殿場高等学校 応募多数

2 最優秀賞受賞者のコメント

◆小説・随筆・紀行文部門 小説「前を歩く人=坦庵公との一日=」 小長谷 建夫
【受賞の知らせを聞いて】
 江川文庫の資料が重要文化財に指定されたり韮山反射炉が世界遺産の候補になったりする時期に合わせて、坦庵公を書いた本作品が選ばれたことを嬉しく思います。
坦庵公は時代の一歩も二歩も前を行った人物で、私とは対照的だと思います。
【伊豆文学賞応募の動機や静岡県とのかかわり】
 これまで伊豆の美しい自然や豊かな歴史を舞台とした小説を数篇書いて応募してきました。日本の歴史の骨格となるような事件、事象を生起させてきた伊豆は、知れば知るほど不思議な魅力に満ち溢れています。これを少しでも紹介できれば幸いと思っています。
【作品にこめた思い】
 幕末、時代をリードした人間たちが伊豆において交錯した(もしかしたらあったかもしれない)一瞬をテーマとしました。江川太郎衛門英龍、坦庵の緊迫した晩年の一日を追うことで、現代日本にも通ずる組織と人間を考えてみたつもりです。
◆メッセージ部門 『三島夏まつり』長谷川 穂
【受賞の知らせを聞いて】
 あまりこのような文章を書いたこともなかったし、文章を書くことが得意ではないので信じられませんでしたが、素直にうれしかったです。みんなに三島夏まつりに来てもらうきっかけになればいいなと思います。
【伊豆文学賞応募の動機や静岡県とのかかわり】
  母から伊豆文学賞のことを聞き、私の生まれ育った三島市のことをたくさんの方々に知
 ってほしいと考え、応募しました。

【作品にこめた思い】
 三島の代表的なイベントである夏祭りは、三嶋大社周辺の町内を中心とし、町中が盛り上がるお祭りです。この文章を読んで、少しでも三島市や、夏祭りのことに興味をもったら、是非三島市に足を運んでほしいと思っています。三島市は、夏祭りだけではなく、まだまだたくさんの魅力があります。一度でも三島市を訪れ、その魅力をみつけてみてください。

 最優秀賞作品についての審査員コメント


◆小説・随筆・紀行文部門
 今回は応募総数が多いこともあって、読みごたえのある粒の揃った作品が集まった。時代小説、太平洋戦争を背景としているもの、伊豆を舞台とした若者の人間模様を扱ったものなど、題材が豊富であり、いずれの作品も一生懸命書いていて誠実さが伝わってきた。
 最優秀賞の「前を歩く人=坦庵公との~一日=」は、江戸末期から明治維新後の大変魅力的な時代・人物をよくまとめたものだった。それぞれの人物をもう少し掘り下げることが出来ればなおよかったが、字数の規定がある中では仕方がないだろう。通訳という立場について題材にしたところが大変に面白かった。今風に読者にわかりやすく書いた時代小説である。
◆メッセージ部門
 
 自分が縁のある地域の文化・風習・ロマンなどを文章化する作品だけでなく、個人的な体験を強く強調することによってメッセージとする作品など、いろいろな角度からの作品があった。
 最優秀賞の「三島夏まつり」は、接続詞をぎりぎりまで排した無駄のない文章がさわやかによくしまって、そこに祭りの音がのり、その音を生む若い生命の鼓動が読む者の体に響いてくる。三島夏まつりにはぜひ足を運ぼうという気持にさせられる快作だった。

4 審査員

◆小説・随筆・紀行文部門
三木 卓 (第69回芥川賞、日本芸術院会員)
  村松友視 (第87回直木賞)
(第58回読売文学賞)
(第1回坪田譲治文学賞)
◆メッセージ部門
  村松友視 (第87回直木賞)
清水眞砂子 (翻訳者・児童文学評論家)
中 村 直 美 (株式会社交通新聞社広告事業部部長)

 賞

◆小説・随筆・紀行文部門
  最優秀賞 賞金  100万円
  優秀賞 賞金 20万円
  佳 作 賞金 5万円

◆メッセージ部門
  最優秀賞 賞金    5万円
  優秀賞 賞金 1万円

 募集結果

◆応募総数 545編
(小説202編、随筆35編、紀行文14編、メッセージ294編)
◆年代別応募数
部門 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 90代 不詳
小説・随筆・紀行文 3 13 27 33 45 62 48 15 2 3
メッセージ 220 0 3 7 6 24 6 1 0 27
合 計 223 13 30 40 51 86 54 16 2 30
◆居住地別応募数
部門 静岡県 東京都 神奈川県 埼玉県 愛知県 その他 海外
小説・随筆・紀行文 132 40 22 13 5 39 0
メッセージ 276 4 2 3 3 6 0
合 計 408 44 24 16 8 45 0

7  入賞作品 ←クリックすると「あらすじ」ページを表示できます。

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